スキヴィアス サウンドライブラリー ヒーリングミュージックについて
以前TOHU BOHUという本で、音楽に癒せれるか?という座談会を掲載した。
座談会メンバーでヒーリングミュージックを掘ってるのは、僕一人で、各々のグットミュージック紹介になっているのは、残念だったが、レコードショップのヒーリングコーナーを漁る音楽愛好家は、あまり見かけないので仕方がないかとも思う。
音楽で癒されるなどの言葉を、過剰に嫌うのが音楽愛好家の限界とも
僕自身も、音楽で癒されるなどとは思っていなかたが、一時期体調を崩した時期に、ヒーリングミュージックの効果の検証をやる良い機会だと思い、何枚か試してみた。
安っぽいアンビエントや、BPMを極端に落としたチープなテクノなどが詰まったヒーリングコンピは、ボロボロの身体には、丁度よかった。へんに主張してくるヒョウゲン音楽は聴いてられなかったし、正直いまでも主張の強い音楽は、たまには良いが長時間聴くと、身体が拒絶する。身体を壊して良かった、バカバカしい自己主張の為のヒョウゲンに付き合わない生き方を選択できたから。
ヒーリングミュージックの場合たしかに、くだらない泣けるだとか、ノスタルジーだとかの、安易な感情のブーストor書き換えの作品も多いが、その手の音楽は身体が壊れていると、拒否反応がおこる。僕の場合は身体が痙攣をおこしていた。衰弱する身体と反比例して耳の感度は鋭くなる。
そんな大半が酷いヒーリングミュージックの中にも、現代音楽やフリーミュージックとも共通するような、音をヒョウゲンの道具から解放するような作品があった。
独自のスピリチュアルな解釈で音を紡ぐので、なかなか音楽のおもしろさが世間には伝わらないのだが、クリスタルボールを用いた倍音浴などは、甘ったれたセピアアンビエントより、腹の座った音楽に思う。しかし、タイトルで損してる、倍音浴のタイトルが響く音楽愛好家は、あまりいない。
またメディテーションオーシャンという、ちょっと恐いタイトルの作品は一時間近く波の音が収録されているのだが、海にうっとり♡なアーパーが喜びそうな、生易しい音でなく低音が効いた、ドスのある音響作品となっている。オーシャンはシリーズ化されているのだが、こんな腹の座った音響作品はメディテーションオーシャンだけだった。