Magda MayasとChristine Abdelnour
スキヴィアス虹釜太郎サウンドラリーでも紹介した女性ピアニストMagda Mayasと女性サックスプレイヤーChristine Abdelnourの新作のMYRIADが届いたので、店で聴いている。
前作は、解体業者が鉄やコンクリートを、ぶん殴り、砕き、軋ませるようなストレートな暴力性だったが、今作では、特殊奏法を用いた物音のようなサウンドではあるが、じっくりと一つ一つの音を堪能する、もしくは、ゆっくりと破壊的な音により解体されてい様を愛でるような、ビザールな暴力性の音響となっている。
彼女らは暴力的な音のマテリアルではあるのだが、レイヤーのさせかた、展開のさせかたは、緻密で音に対して冷静である。自分勝手に盛り上がる、また自分の音に酔いしれる白痴的な凡庸なノイズミュージックの白けた感じはなく、音に対する冷酷な態度が作品の凄味となっている。